もせる
10年ぶりにご来店の多治見市のTさん。
「靴がこんなになっちゃったけどなおる?」
拝見すると本底が腐食してボロボロ。
近年よく使われる底材のポリウレタン。
滑りにくい、足の返りがいい、クッション性に富んでいるetc・etc
優れものの材料なのですが、
欠点が1つ。
長く履かずにしまいこんでおくと、
「経年変化」つまり化学反応を起こして、腐食するんですネ。
たとえはちょっと変ですが、
家を新築しました、訳あって住めないので、戸締りしたまま何年も放置すると...
カビがはえたりならまだいいほうで、
根太(ねだ)が腐ったり、梁が傷んだり。
だから家の場合はしょっちゅう窓や戸をあけて風をとおします。
靴の場合は箱から出して風を入れるだけじゃなく
履いてあげた方がいいんです。
そして底が減ったら修理してまた履いてあげればいいんです。
Tさんは10年前に2足の靴をお求めで、一方の靴は毎日履かれ
もう一方の靴は1,2回履いただけでしまいっぱなしにされていた様です。
三喜屋は靴をお求めになった時、この「経年変化」のお話を必ずすることにしているのですが...(言い忘れたか・・・・なんせ10年も前の話)
幸いなことに甲革は新品の状態ですので、
底の交換をすればまた履けるようになるので、大丈夫。
そうそう、今回のようにものが腐食したりボロボロになることをこの辺では
「もせる」って言うのです。
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