お客様の足を大切に考えたいから・・・・
最近、初めて入店されるお客様に
「ワァ~可愛い。これもステキ。いいのが一杯ある」
と言われるようになりました。
ディスプレイの足数はしれています。
以前は、これだけしかないですか?
とよく言われました。
ステキと言われるのは嬉しいのですが
夫婦二人でやっている店なので
お一人の対応に追われていると
乱暴に履いてしまわれるお客様もいて
心が痛みます。
もう十数年前のことです、東京のとある靴屋さんに
お邪魔したことがあります。
とても頑固な方で
私達に「まず、靴を脱ぎなさい」
とおっしゃいました。
紐をほどいて靴を脱ぎました。
すると
「やぁ、ようこそ来てくださった。
あなたたちは靴を大切に思っているね。」
とおっしゃって、私たちを受け入れてくださいました。
靴の脱ぎ方を観察されたのです。
その靴屋さんは
店内に10足あるかないかしか
靴を飾っていませんでした。
足を大切に考えるから靴も大切に考えておられてのこと
だったと思います。
「すごいなぁ。これこそ本物だ」
とあの頃思って
自分の店のあり方や靴のディスプレイも
少しづつ変えました。
お客様からは
「これだけしかないの?」
「これが欲しいのだからいいでしょ?」と言われるのを
丁寧に説明するのに長い時間かかりました。
今は、靴のデザインが少し増えたのと
遊び心もとりいれたこともあり
あの頃と
さほど変わりのない足数しかディスプレイしていませんが
履きたくなってしまうみたいです。
それは本当に嬉しくて有難いことなのですが
お客様の足を守りたい、という気持ちから始めた靴屋にとって
お客様のあしを大切に思いながら
仕入れた靴は自分の子供のように思ってしまうのです。
本当に足に合って、
「うわぁ」と喜んでいただく笑顔を見たいと思うのです。
靴は、合う人の足に履かれて初めて完成品となります。
そこのところのお手伝いが私達シューフィッターの仕事と思っています。
その時から、お客様が自由に履いて選ぶというやり方から
まずお客様の話をお聞きして足を測って靴を
フィッティングするというやり方に変えました。
時々、靴を全部しまってしまおうか・・・
などど、偏屈なことを考えてしまう。
まったく変な靴屋です。
私も、だんだん頑固になっていくのだろうか。
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