Tさんと三喜屋
Tさんとは長いお付き合いです。
小児麻痺のため歩くのがとても大変そうです。
最初にお会いしたのが平成13年。
それでも二つの杖を使って自力で歩かれます。
病院で治療用の靴を作られていますが
三喜屋でも年に一足づつ作られました。
Tさんの「ここが、こんな風にならないでしょうか?」
と困っていることをお聞きして
「だったら、こうしてみてはどうでしょう?」と試していただく
「これだと、こうなりました」と報告を頂いて
「そうか、それでしたらこんな風にしてみましょうか?」
とTさんと一緒に靴を改良してきました。
Tさんの生活がすこしでも快適になるように。
三喜屋は普通の靴屋なので
こういったケースは本当にまれなのですが、
ご縁を頂いたTさんとの信頼関係で
これまで続いてきたのかなと感じています。
歩くときに負担がかからない事が
大前提になるので、デザインはどうしても限られます。
今回は
「休みの日にカジュアルな感じで履ける靴が欲しいんです。」
との希望にお応えし
この靴のステッチをベージュの糸で仕上げてもらい
カジュアル性を高めることにしました。
見た目普通の靴に見えますが
内側には足が当たっても痛く無いように
とてもソフトな布地が張ってあります。
履き口は広く開くように普通の靴よりも
5センチほど前に留め位置をずらしました。
ちょっとした工夫でサッと履けるようになります。
Tさんからは、三喜屋も色んな知恵を頂きました。
「ああぁ軽くていいですね。糸の色どうしようかなぁ・・・
ベージュかそれとも白か・・・赤なんてのはどうでしょう?
変ですかね?」
こうした本来の靴選びの楽しさを味わっていただけたかなぁ
とTさんの笑顔を見ながら思いました。
靴の機能面での履き心地は一番大切なことですが
それを壊さない程度に、靴選びの楽しさを感じていただけたことが
とてもうれしかったです。
一カ月ほどかかって仕上がってくる靴を
お履きになるときのTさんの笑顔を早く見たいです。
« ブーツの季節を楽しもう! | トップページ | ヤモリちゃんPART2 »
「三喜屋の事件簿 」カテゴリの記事
- 整形外科で外反母趾の治療をしたけど、まだ痛い。(2024.06.03)
- 足に合った靴とインソールで歩きやすく、毎日を快適に(2023.11.05)
- 上級シューフィッターが一生懸命、あなたの足と笑顔を支えます。(2023.06.16)
- カウンセリングと足型計測(2022.06.10)
- お誕生おめでとうございます!(2021.12.12)
コメント